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熊本からの祈り、届けチベットにー  ユミ・ツエワン(チベット仏画師・チベット支援団体「ターラーネット」主宰) [2008年4月1日号(第91号)]

■私とチベットとの関わり 
 私は今、昨今のチベット動乱のニュースに心を痛めています。

 チベットといえば、一般の日本人には遠い国のように思えるでしょうが、チベットの国旗を日本人僧侶が制作したこともあり、チベット人は日本ををとても身近に思っていますし、日本人に対して深い親しみの気持を持っています。

 私が初めてチベットに行った時、「チベット人と日本人はよく似ているから兄弟だ」とニコニコと笑顔でお茶を振舞ってくれました。

 チベットを訪れた旅人が、彼らの並外れたもてなしの心に感動したと聞きましたが、私も最初は寺院や仏画のきらびやかさに惹かれたのが、次第にチベット人の素朴さに魅了され、いつのまにか、チベットとネパールチベタンエリアに4年半も居着いて、仏画修行が始まったのでした。

■チベットの歴史
 現在のチベットの状況は今までのチベットの歴史を把握しないとわかりません。

 簡単に説明すると一九四九年から中国共産党のチベット侵入。一九五九年三月十日にラサでチベット蜂起開始。中国軍は8万7千人を殺害して蜂起鎮圧。ダライラマとともに8万人のチベット人がインド亡命。一九六〇年チベット亡命政府がインド北西部ダラムサラに設立。一九八九年ラサでの抗議デモを受けて、中国がチベットに戒厳令を宣言。一九八九年ダライラマにノーベル平和賞授与が決定。

 この後も中国共産党の締め付けは継続しています。

■ターラーネット
 チベット、ネパールチベタンエリアでは、子供たちと仲良くなり、チベット語やたくさんの事を教えてもらいました。

 私の人生観が変わったといってもいいでしょう。

 四年半後,帰国して、最初に思ったのは、「何かチベットの子供たちにお返しをしたい」という強い思いでした。

 一番必要なことはチベットの実情を知らせる事だと思い、お話会、こどもの写真展、チベット仏画展、チベット映画上映会等を開催し、チベットの子供達へ寄付や里親探しをしました。これ等は現在も続けています。

 また、「アムネスティ拷問証言会」や、来熊したダライラマのアテンドをし、チベットの現状にも触れました。

■現在のチベットの状況
 ●二〇〇八年三月十日
 ラサ・デプン寺で500人の僧侶が平和的なデモを行ないましたが、武装警察は僧侶を殴り、催涙弾を使用、阻止。数十名僧侶拘束。 同日、ジョカン寺の前で14人の僧侶がチベット国旗をもって抗議活動を行い、警察当局に殴打され逮捕。3人のチベット人も逮捕。

 ●三月十一日
 ラサ寺で六百人の僧侶が平和的抗議活動(座り込み)を行ったが、武装警察が殴打し、催涙弾などを使用し、僧侶を拘束。

 ●三月十二日
 デプン寺で僧侶2人が(抗議の意味で)手首を切り、セラ寺僧侶がハンガーストライキを開始。

 ●三月十四日
 ラサ・ラムチュ寺近くで百人の僧侶が抗議活動を行っていましたが、警察が僧侶を殴打し、この後、数万市民が大規模抗議を行い、過激な事件発生。大量の軍隊で鎮圧。これは一九八九年以来、最大規模チベット族抗議活動。当局は十三人死亡と発表、チベット亡命政府は百人のチベット族が撲殺されたという情報を伝えています。

 そして、今も抗議活動は行われ、沢山のチベット人の命が失われています!!!

 ダライラマは非暴力主義を貫いて、チベットの僧侶もその教えを守っていますが、一説によるとこれまでに、四百二十万人のチベット人のうち百二十万人にも及ぶ非暴力の僧侶やチベット人が大量に虐殺、暴行され、その真実が歪められているというのです。

 この事実は、過去の事ではなく、現在の事であり、とても悲しい事です。

 日本の僧侶も、同じ仏教徒のチベット人に手を差し伸べてください。

■チベットの為にできる小さなことは?
 私も「チベット・ピース・ムーブメント」と名づけてチベットのために出来る事を始めました。

 まずは、チベットのために祈ること、そして知ること。さらに今も続けているチベット支援寄付を初め、新たに支援のためのホームページを立ち上げました。

 http://www.tibet-k.net/

 こちらのお問い合わせから寄付の受付も出来ます。

 浄土真宗の僧侶の皆様是非ご協力をお願いいたします。


チベットわが祖国―ダライ・ラマ自叙伝 (中公文庫BIBLIO20世紀)

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  • 作者: ダライラマ
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2001/11
  • メディア: 文庫



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