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益南組重点プロジェクトの取り組み  粟田国彦 [2013年7月1日号(第112号)]

この「こだま百十二号」が発行される2013年7月1日は東北地方太平洋沖地震が発生してから844日目。この間ずっと震災は続き、今もなお多くの被災者が苦しみの中にあります。熊本教区内でも震災支援の営みは多くの僧侶・門信徒によって続けらています。今回はその活動の中でも「組」単位で震災支援に取り組んでいる益南組の様子を粟田国彦師に報告いただきました。


 昨年4月、組サンガプロジェクトとして中央や教区に先駆けて益南組は『東日本大震災の被災者に寄り添う』ことをテーマにして取り組みを始めました。

○組サンガプロジェクト趣旨
組の教化団体を始めとして組全体で一つのテーマの下に取り組む

○実施計画と結果
①被災地支援活動ボランティア派遣の為の資金活動
結果;各種総会でのカンパ活動並びに組内寺院へ資金協力依頼で約25万円の資金確保
②情報収集を兼ねた被災地支援活動ボランティア派遣
僧侶2名 大学生2名派遣
③若婦人研修会として支援活動報告会の開催
結果;7月7日開催;約50名の参加
④夏休みの子どもの集いでお茶会活動へ送るお菓子へ子どもたちのお手紙を添える
結果;約30通の手紙を添えて送る
⑤第4ブロック仏壮大会に飯舘村役場に勤める杉岡誠善仁寺住職を招き講演会の開催
結果;約250人の参加
⑥資金活動の為のバザー開催
結果;組内寺院や門信徒から物品を集めて仏壮大会で販売98000円の収益
⑦お茶会活動へのお菓子や果物の提供
結果;傾聴ボランティアであるお茶会活動へお菓子を2回・みかん1回の送付。相馬組3回忌法要へお菓子の送付
⑧被災地追悼訪問と三回忌法要への参加
結果;九月に四名の僧侶が被災地を訪問、杉岡誠善仁寺住職と面談。3月8日に仙台別院での三回忌法要へ組長と随行の僧侶が参加

○取り組んでみての課題と今後の方向性
①資金活動の方法で大会や各寺院へ依頼するのは今回限りで支援活動に参加するのは基本的に自費で参加する。
②それでも定期的に被災地を訪問したり支援活動に参加したり、当地のボランティア団体と連絡を取り合うことはとても意味の有ることであり、今、どのような取り組みができるかを常に探っていかなければならない。
③なるべくお金を使わないで長期的に持続していくことが重要。
 現地から呼べないなら、こちらから出向く、出向くことが出来ないなら、こちらから送る、送ることが出来ないなら、向こうから取り寄せて販売する。といった流れ(お金のかからない流れ)
④支援の仕方として現地で生産や加工されているものを(特に福島)取り寄せて販売する。または集会や研修会で茶話会、懇親会で利用する。
⑤昨年は阿蘇地域で水害があったように、自らの足下を見つめる意味で組の寺院を中心とした防災計画をつくる。

○被災地支援活動ボランティアに参加した大学生の感想
私が伝えたいことは、何かやってあげたい、スタートはそれでいいと思います。でも、やってあげる、やってあげた、といった感覚は違うのではないかという点です。一緒に頑張ろうは間違いではないです。でもそれを強要するような感覚でボランティア行きました、しました、というのは私の中では違いました。
すごいね、ボランティア偉いね、って違うんです。偉いとかの感覚が少し違う。
私は本当に少し大変な友達の家に、遊びに行って、その子の顔見て、一緒に遊んで帰ってきただけです。
いまはまた、少し感覚も変わってきました。正直偉そうな話が出来る立場でもありません。東北が誰よりも他人ごとになっているのは他でない私だと思うからです。(益南組・皓月寺住職)


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