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新刊紹介『高僧和讃に聞く』「七高僧」の事績や教説やさしく解説 [2007年1月1日号(第86号)]

 親鸞聖人は九十年の生涯を通じて数多くの著作を残しているが、その中で最も心血を注いだのが『教行信証』である。同著は真宗教義の大綱を組織的、体系的に示し、浄土真宗の根本聖典とも言うべきものだが、六巻にも及ぶ大部の上に、すべて漢文で書かれているため通読するのは容易なことではない。これはおそらく、広く同行に読まれることを予定したというよりも、念仏の教えを批判していた当時の学僧達を念頭に置いて書かれた一種の学術論文といってもよい。

 それを補うのが〝和語の教行信証〟といわれる『和讃』。親鸞聖人が七十六歳の時に著したという「三帖和讃」の第二帖目の『高僧和讃』(竜樹、天親、曇鸞、道綽、善導、源信、源空という七高僧の遺徳を讃えた百十七首を収録)の中からそのいくつかを厳選し、それぞれに原文と意訳、七高僧の事績や教説などをやさしく解説したのが本著である。

 熊本市の浄土真宗本願寺派住職(香覚寺)で、現在、筑紫女子学園大学の学長を務める著者は、漢文ではなく和語で記され、しかも浄土三部経や諸師の注釈を根拠とした体系を持つ和讃こそ、阿弥陀如来の本願を明らかにするものであるとし、その意味するところを読み取り、真実の法に出合った喜びを、ぜひとも後に伝えてほしいとの願いから本著をまとめた。『高僧和讃』は第一帖目の『浄土和讃』と同じく〝弥陀和讃〟にほかならず、「親鸞聖人の〝遇法の喜び〟が高らかにうたわれている宗教詩でもある。」と述べている。

定価2730円・山喜房仏書林刊(電話03-3811・5361・http://www003.upp.so-net.ne.jp/sankibo/title.html)《中外日報より転載》


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