教えて帰る子は知識 豊田常勝 [2007年1月1日号(第86号)]
私は、94歳になる在家の人吉別院門徒です。
戦後まもない、昭和22年4月のことです。当時は食糧事情も悪く医薬品にもこと欠き、私たち夫婦は、娘精子を先に送る運命に遭遇しました。わずか一年の生涯でした。悔しくて悔しくて残念でたまりません。
精子の枕元で悲嘆に泣き暮らしていた私たちに「先立ったこの子は善知識ばい。だけん、あんたたちはなぁ、法ば聞かなんばい」と伯母は言ってくれました。娘、精子は、私たちが法を聞いてくれるように自らの生命をかけて願い、先立ったというのです。
精子さんの導きで、私ども夫婦は聞法をさせていただくことになりました。《阿弥陀如来よりたまわりたる信心を子や孫に世界にと如来行が肝要であります。》 《球磨組・忍成寺衆徒》
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