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浄土真宗との出遇い、そして得度習礼道場を体験して  浜本証真 [2007年4月1日号(第87号)]

 36年前(昭和47年)2月早朝、母が亡くなり、私は小学生の娘を連れて近くのお寺に行き、枕経をお願いした。これが覚法寺とのご縁の始まりです。通夜、葬儀をすませ、その後の仏事一切は妻に任せきりでした。その妻も平成元年に往生しました。当時二人の子供は独立していたので、私は寂しい日々を過ごしていたのです。そんな或る日、住職から「法話を聞いて、酒を嗜む会」に誘われ、参加させていただいたのが「仏壮」との出合いです。妻の死が、私に「仏の教え」とのご縁に導いてくれたのです。

 仏壮に参加し、同朋との語らいの中で、中仏の通信教育を受講するのは平成七年、私が公立学校を退職した年です。そして平成十年学習課程を卒業しました。
 平成十七年、住職から得度することを勧められました。僧侶になるとは夢にも思っていません。でも折角のお勧めだし、私も古希を迎え残りの人生、無為に過ごすのは勿体ない。妻の十七回忌でもあるし、覚悟を決めました。今、思えば乱暴な話です。同じ仏壮仲間のKさん一緒に得度することにしました。

 先ず、熊本別院で得度考査を受け、得度習礼入所許可通知をいただいて、十一月三日から入所予定です。ただし、得度習礼を受けるにあたって、事前に練習しておくことが沢山あります。例えば、領解文の暗唱、正信念仏偈の暗記などです。暗唱、暗記に苦労し、不消化のままその日は来ました。

 入所初日、入所時理解度テストがあり、私は六七点でした。まぁまぁかと思いましたが、あまかった。

 2日目からは五時半起床・洗面・清掃。7時晨朝勤行 90分 中食・休憩。9時から4時まで分刻みで講義、作法が続きます。朝の九十分正座は苦行です。足が痛くなり、痺れて立てなくなった。四時半から日没勤行(九十分)夕食、休憩、課題、就寝勤行、勤行習礼、消燈は11時、この日程が8日間続いた。この間実施される課題が大変です。御文章、正信偈、領解文等7つの課題が与えられ、先生の前で試験されます。ダメなら、合格するまで再テストです。また各講義のあと理解度テストがあり、再テストもあります。しかもこれらは休憩時間にありますから、私はテンテコ舞いでした。

 最初の5日間は、辛い日々でしたが、段々と慣れて最終日、本願寺での得度式を迎えました。

 宗祖親鸞聖人の御影前で三帰依文を唱え、領解出言し、門主より度牒を授けられる儀式です。蝋燭の明かりで照らされた薄暗い本堂に総勢74四名、新しい黄袈裟を身につけ着座、御門主から度牒を戴いた時は、胸が熱くなりました。

 翌最終日、本願寺晨朝参拝、大谷本廟にお礼参拝、そして解散、やっと終ったとKさんと一緒に喜びました。

 しかし、これからです。僧侶の本分を守り、勉学布教を怠らないのは当然です。また師命に随順し、宗門の秩序を乱さないことも大事です。
 親鸞聖人750回大遠忌の標語は「世のなか安穏なれ」です。ところが現実は、この願いに反する動きがあります。つまり憲法をかえて、戦争をする国にしょうとする動きです。準備として「国民投票法案」も政治日程にあがっています。僧侶も外に発信すべきです。「念仏者九条の会」「くまもと九条の会」の輪を広げるべきです。「教え子を再び戦場に送るな」を標語に四十数年生きてきました。釈尊や親鸞聖人のみ教え「兵戈無用」にたちかえり慚愧すべきです。煩悩具足・罪悪深重の身である私ですが、日々精進させていただきます。 (熊本組 覚法寺衆徒)

おぼうさん、はじめました。

おぼうさん、はじめました。

  • 作者: 松本 圭介
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2005/12
  • メディア: 単行本


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