SSブログ

こだま 編集局発  昨年を振り返って [2012年1月1日(第106号)]

去年は福島原発事故、日本の民主党やオバマ大統領の行き詰まり、グローバル経済の泥沼化などで、これまでの科学技術の進歩、社会制度や政治体制の変革が、よりよい未来を開くという信仰が揺らぎだした。それは宗教の持つ超越(この世を超える、人間を超える)が求められるようになるのではないか。
しかし超越も様々である。去年オウム真理教の信徒の裁判が結審した。オウムは超越を求め、その結果悲惨な事件を起こした。真宗の超越をどう明らかにし、どう伝えていくのかがこれからの課題だと思う。外海卓也(緑陽組・浄喜寺)


「こだま」編集に入った頃、世の中は有頂天のバブル絶頂期、証券会社に入社した娘のボーナスが35年勤続の自分より多いと親は愚痴ったが、顔は笑っていた。「 蛄不知春秋」蝉は夏を夏と知らないという。当時、今はバブルと知って踊っている人はいなかった。大震災・原発事故が経済優先主義の転換点になることを願うが、どうか?バブルを懐かしむ人もいる。甲斐晃裕(託麻組・専念寺)


私たちが編集局を担ってはや一年。「こだまの理念」を再確認する事から始めたが、これを的確に表現し尽くす事は意外にも困難だった。しかし、それは100号誌面の中にあったのだった。「教団のあり方をともに考え、教学に対する意見を交換し、念仏者としての歩みをお互いに点検する場」(泗水康一さん)。「こだま」の第2号にあったこの「こだまの理念」を、読者の方が再確認して下さっていたのである。これまでの「こだま」も、これからの「こだま」も、読者に支えられてこそ…。この最も大切な再確認が出来た事が何よりも幸いな事だった。大松龍昭(種山組・大法寺)


二月に父住職が病死した時、これほど様々な出来事(正に国難的事態)がその後起こるなど予想もつかなかった。当時、我が身の(多少は自坊の…)心配ばかりしていた自分が心底恥ずかしい。忘れ難い一年となりました。古井義章(熊本組・法泉寺)


今年は、災害で多くの方が亡くなられ、諸行無常の思いを痛感させられました。なくして初めて、当たり前だったことが、有難いということに、気づかされました。ますます、頼りにするところはお念仏しかないなと気づかされました。合掌 河内田晃世(緑陽組・真教寺)


ある意味今年、いや戦後の昭和・平成の流れを象徴したような言葉ではなかったか。
飲酒運転で子ども二人を撥ね殺した加害者の弁。
「酒を飲んで運転したが、子どもに衝突した覚えはない。ガードレールにぶつかったと思った」(新聞報道より)
(もしそうだとすれば)自らの過ちに対して懺愧の弁を述べるでもなく、「想定外」と言わんばかりの自己弁護。先の原子力の事故にしてもしかり、戦後の経済成長至上主義のなれの果てのようにも聞こえてくる。
「私は悪くない、想定外だった」。
自らの煩悩に向き合い、時代の・娑婆の煩悩と向き合う真宗僧侶集団。懺愧の弁をいよいよ忘れたかのような娑婆の中にあって、如何に獅子が吼えるがごとく伝道していくのか。橘 孝昭(宇土北組・正栄寺)


今年を振り返ってやはり、心に強く残ったのは東日本震災でした。震災後、関東大震災での九条武子様のご苦労を偲びながら過ごしておりました。いのちは無常であることを痛切に感じ、自分に今出来ることは何か考えておりましたが、時が過ぎるにつれ関心が薄れてゆく自身の姿を反省しております。東北の皆様が笑顔を取り戻し、前に進む元気を取り戻せるように、お寺と私自身が発信源となって地域の皆様に伝えて行こうと思います。能令顕真(益西組・延福寺)


昨年、本山での門徒推進員養成研修「中央教習」にスタッフとして二回出講させて頂いた。
連日午前五時半から午後九時までみっちり組まれたカリキュラムを4日間必死になって受講されるご門徒さんの姿を目の当たりにして感動が込み上げた。
決意表明式を終えたとき、手を取り合い抱きしめ合い涙しながら喜び合うその姿に、私も目から溢れる涙を堪える事が出来なかった。
中央教習は僧侶資格があれば見学可能だ。
教習を終えた門推さんからの感想だけでは知り得ない教習の様子を知って欲しい。どのような「思い」を持って帰って来られたかをリアルに感じて欲しい。
私自身その「思いは」中教の現場に携わって初めて知る事が出来た。
門推さん方の「思い」は中教の現場を知る以前の私の想像では到底及ばないものだった。
大道 修(益東組・教尊寺)


検証 東日本大震災の流言・デマ (光文社新書)

検証 東日本大震災の流言・デマ (光文社新書)

  • 作者: 荻上 チキ
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2011/05/17
  • メディア: 新書



nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:学問

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。